水分を失うこと
昨年はたまたま、葬儀が重なり、死体に触れる機会が多かった。また死を目前にした人と話したり触れ合う機会もあった。
人は死ぬ時、乾いていく。冬に皮膚が乾燥して、カサカサしたり粉を拭いたりするのと違う。
干し葡萄のように、昔はツルッとした表面だった表皮が水分を失い固くなり、シワシワと萎む。
ツルツルと滑やかなようで、わずかにパリッと張りがあって、押すように触れても皮膚の奥の弾力を失った肉は私の指を押し返さない。不思議な感触だ。
近頃の自分は。風呂上がりが一番綺麗だ。化粧をしていなくても、生きている人間らしい。湯に入りよく温まって、ほてった顔が瑞々しい。
昨年の体験から、乾きと死がリンクした。風呂上がりは生きている見た目をしている。夜、風呂に入る前の私は、最も死体に近い。